2023/12/16 18:06
美味しいコーヒーが飲みたいけど、「朝は時間がない」「ミルで挽くのが面倒」
そんな時に重宝するのが「コーヒーのドリップバッグ」です。
「コーヒーは豆から挽く派」のあなた。あなどるなかれ!
ドリップバッグも淹れ方次第でとっても美味しくなるのです。
ありがたいことにドリップバッグをお求め頂く機会が増えてきた為、改めて「ドリップバッグの美味しい淹れ方」をまとめてみました。
今回は、KOICHIRO COFFEEの店主KOICHIROとスタッフのゆみさんで美味しいドリップバッグコーヒーを淹れてみたいと思います。
コーヒー好きのあなたの参考になりましたら嬉しいです。
KOICHIRO COFFEEの店主
●ゆみさん
わたしはコーヒーは豆で買ったりドリップバッグで買ったり使い分けていますよ。ドリップバッグってプレゼントにも最適ですし、ほんとうに便利ですよね。
●KOICHIRO
僕もずっと「コーヒーは豆から挽く派」だったんですけど、お店でドリップバッグを作るようになってから家でもドリップバッグをよく飲むようになりました。
手軽で味も十分美味しいので、ちょっとしたお出かけの時もタンブラーに詰めていったりします。
●ゆみさん
ドリップバッグのコーヒーを淹れる時って、いつもなんとなくやってるんですけど、この機会にちゃんと知りたいです!
●KOICHIRO
実はドリップバッグも、ちょっとしたコツさえわかれば美味しくなりますよ。難しくないので安心してくださいね。
●ゆみさん
ちょっとしたコツ、早く聞きたいです!
●KOICHIRO
ではさっそくドリップバッグコーヒーのコツからお伝えいたしますね!
「ドリップバッグコーヒー」の美味しい淹れ方3つのポイント
1.お湯の温度は「ちょっと高め」
2.最初に注ぐお湯は「優しく」
3.かつ、スピーディーに
【ポイント1】お湯の温度は「ちょっと高め」
●ゆみさん
お湯の温度はちょっと高めがいいということですが、何度くらいが適温ですか?
●KOICHIRO
結論から言うと、おすすめの温度は92℃~94℃前後くらいです。
コーヒー豆をミルで挽くと、コーヒー豆の中にある二酸化炭素ガスが外に放出されやすくなります。
その二酸化炭素ガスと一緒に、コーヒーの香りも抜けていってしまうんです。
なので、粉になってから時間の経ったものほど、「通常よりも高めの温度」で淹れてあげるのがポイントです。
そうするとコーヒー豆から香りも立ちやすく、またフィルターの目詰まりなども防ぐことができます。
●ゆみさん
コーヒー豆は粉にすると香りが減っていってしまうんですね!
ドリップバッグってもともと粉になっているから、粉は粉なりの淹れ方があるという事なんですね。でも、わたし温度計を持っていないから温度がわからないです…。
●KOICHIRO
大丈夫です!たとえばヤカンなどで沸騰させたお湯をドリップポットに移せばほぼ適温です。
●ゆみさん
そうなんですか!?それ無意識でやってました!
●KOICHIRO
素晴らしい!それでOKです。たとえば東京と長野県では標高や気温などの関係で、東京の方がお湯の温度は高くなりますね。そのあたりも踏まえて頂ければと思います。
【ポイント2】最初に注ぐお湯は「優しく」
●KOICHIRO
ハンドドリップコーヒーと同じなんですけど、コツは、最初に触れるお湯が実は一番大事というのがあります。
●ゆみさん
最初に触れるお湯ですか?
●KOICHIRO
そうなんです。これはお米と同じだと思ってます。お米を研ぐときって最初のお水が一番大事って言うじゃないですか。
多分、最初に触れるお水がお米に吸収されやすいからですよね。
コーヒーも同じで、最初に触れるお湯が優しければその後も雑味は出にくくなるんです。
●ゆみさん
お米とコーヒーにそんな共通点があったとは…。
●KOICHIRO
他にもいろいろあるんですけど、それはまたの機会に(笑)。
なので、コーヒーの粉の近くから、粉の上にお湯を置くような感覚で注いでほしいんです。
ここでジャバーって勢いよく注いでしまうと、雑味が出やすくなってしまいますよ。
●ゆみさん
「お湯を置くように」ですね。わかりました!
【ポイント3】かつ、スピーディーに
●KOICHIRO
コーヒーの粉に優しくお湯がふれるようにお湯を注いでいきます。と同時に、スピードも大事なんです。
●ゆみさん
丁寧かつスピーディーにですか。難しそうですね…。
●KOICHIRO
全然大丈夫ですよ。丁寧に注ぎつつ、時間をかけすぎないのがドリップバッグを美味しく淹れるコツです。
ドリップバッグの性質として、「濃くなりやすい」というのがあります。
そこで、少し高めの温度で素早く淹れることで、ドリップバッグでもスッキリとしたコーヒーを淹れることができます。
スッキリだけど薄くなく、最後まで飲みたくなるコーヒーです。
細かい話ですが、浅煎り程温度は高めがオススメです。
●ゆみさん
たしかにドリップバッグって最後まで飲めない時があります。
最後までスッキリ飲めるようなドリップバッグのコーヒーを淹れてみたいです!
●KOICHIRO
では、実際にドリップバッグコーヒーを淹れていきましょう!
■コツを理解したところで、いざ実践!
●KOICHIRO
用意するものはこちらです。
①ドリップバッグ
②コーヒーポット(なければヤカンなどでOK)
③コーヒーカップ
④温度計(なくても大丈夫です)
■お湯を沸騰させ、ドリップバッグをセット
お湯でカップを温める
●KOICHIRO
まず、ヤカンや電気ポットなどでお湯を沸騰させます。お水は水道から出したての新鮮なものがいいですよ。
コーヒーがすぐに冷めないように、カップを一度お湯で温めてからドリップバッグをセットします。
●KOICHIRO
ちなみに、ドリップバッグを開封する時に写真のように指ではじくと粉が散らからなくてオススメです。
ドリップバッグを指でデコピン
●ゆみさん
デコピンですね(笑)
●KOICHIRO
デコピンするとフィルターがきれいになって気持ちいいんです(笑)。ちなみに昨日テレビで見ましたが、大谷翔平くんの愛犬も「デコピン」という名前らしいですね。
●ゆみさん
そうなんですね(笑)
●KOICHIRO
さらに、ドリップバッグをセットした後も指でトントンすると、バッグについた粉からも無駄なく抽出することができます。
トントンしたら、ドリップバッグを軽く横に振ってコーヒーの粉を平にしましょう。ドリップがしやすくなりますよ。
指でトントン
■お湯の温度を調節する
●KOICHIRO
先ほどのポイントで出ましたが、ドリップバッグコーヒーを淹れる時のお湯の温度は92℃~94℃くらいの少し高めの温度がおすすめです。
電気ポットなどで沸騰させたお湯をドリップポットに移すとほぼ適温です。ヤカンの場合は沸騰させてから2、3分置きましょう。
■お湯を注ぐ
●KOICHIRO
ドリップバッグは濃いめに抽出されやすい性質があります。高い温度で最初は優しく、後半はスピーディーに注いであげると、スッキリとしたコーヒーになります。
■まずはお湯を乗せるように
●KOICHIRO
コーヒーの粉に「お湯を乗せるように」優しく注ぎます。
最初が雑になってしまうと雑味が出やすいので、最初が肝心ですよ。
●KOICHIRO
コーヒーの粉の真ん中に静かにお湯を落としたら、中心からのの字を描くように注いでいきます。
●KOICHIRO
フィルターの外側までいったらまた中心に戻って、再度のの字を描いて注いでいきます。
●KOICHIRO
ドリップバッグの「かさ」が増えてきたら一度止めます。
●ゆみさん
わたし、ちょびっとずつお湯を注いでたかも。
溢れるくらいまで注いじゃっていいんですね。
●KOICHIRO
ちょびっとずつだと濃くなりやすいので、すっきりしたコーヒーを淹れたい場合はこれくらいギリギリまで注いでも大丈夫ですよ。ただ、濃いめが好きな方はちょびちょびでOKです。
さて、コーヒーの粉の位置が半分まで下がったら、また同じように注いでいきます。
●KOICHIRO
ドリップバッグから溢れそうになったら止める。また注ぐ。これを繰り返します。
■カップからはずす
●KOICHIRO
コーヒーがカップ一杯になったらドリップバッグをはずします。
ドリップバッグがコーヒー液に浸かっていても大丈夫なので気にしないでくださいね。
理由は、コーヒーの成分は最初の方にたくさん抽出されてだんだん薄まってくるからです。ドリップバッグがコーヒー液に浸かるのは終盤の少しの間なので、多少浸かっても大きな変化はないと思っています。それよりも、最初に雑味を出さないように優しく淹れてあげることが何よりも大切ですよ。
ちなみにドリップバッグは、シンクにそのまま置いてもよいですが、ドリップバッグ用の入れ物があるとシンクの中で倒れて「あー...」ってなる心配がないので安心です。
済んだドリップバッグを移す容器があるとバッチリ
●KOICHIRO
量をたくさん飲みたい時はアメリカン気味になりますが大きいカップで。小さいカップだと濃いめになります。そこは好みで調整してくださいね。
これで完成です。いかがでしょうか?簡単ですよね。
●ゆみさん
ドリップバッグにもいろいろコツがあるんだと感心しました。でもこれなら私にもできそうです!
●KOICHIRO
ぜひやってみてくださいね。美味しいコーヒーはするすると最後まで飲めてしまうものです。また、雑味を感じなかったり、甘味やとろみなど美味しい成分も淹れ方によって出たり出なかったりするので、そのあたりも味わえたらいいですね。
●ゆみさん
KOICHIROさん、ありがとうございました!
●KOICHIRO
こちらこそです!皆さんもぜひ参考にして頂ければ嬉しいです!
photo by applenonnophoto
今回使用したのはこちらのドリップバッグです↓